小説デビューの一冊目。この表紙にしたのも理由がある。小畑健が漫画化したものと勘違いして買ったからだ。この勘違いがなければ、小説なんて読まない人生を送っていただろう。実際、なくて困るものでもない。当時は中学校1年生、絵画教室の帰りに駅前で買ったのを覚えている。1冊目にしてはハードで難しい内容だったはずだが、背伸びした感覚を味わうみたいで、特別な体験になった。
初めて友人に本を貸して感想会をした本。修学旅行の飛行機やバスのなかで、景色なんかそっちのけでずっとこれを読んでいたことを思い出す。それほどまでに面白かったのだ。その面白さを誰かに伝えたくて、友人にそれを貸した。友人もドハマりしてくれて、毎日下校するたびに感想会が開かれ、シリーズ網羅するまでにいたった。読書体験を共有することは、もっとずっと楽しい。それに気づくことができた。
これも友人と読んだ思い出の一冊。そのときもまだ中学生だったろう。同じ部活の奴に「面白そうなタイトルの本が出るぞ」と薦めたのがきっかけで、2人してドハマりした。2人とも伊藤博文もホームズも名前しか知らないくせに、いい加減なものだ。確かになったのは、ホームズのライバルは金持ちのジジイであるということだ。そいつは滝に落ちて死んだらしい
純文学=お堅いもの、という認識を180°変えてくれた一冊。なにしろ、ほぼ明治版三谷幸喜映画なのだ、なんてことを言うと浅いと思われるかもしれないが。要するにコントみたいなことをいたって真剣にやっている。笑いどころ満載で、その中の人間関係が妙にリアルなんだけど、不快感がない。現代のエンタメ作品とそん色なく、初めて心から面白いと思える純文学はこれが初めだった。と言うと、浅いと思われるかもしれないが。
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